怒りの土俵に
いっしょに上がれば

そりゃあ　
ケンカになるさ


とっくみあって
はっけよい！

思いを伝えるのは
相手が怒りの土俵から
降りてから

春は　春を楽しみ

夏は　夏を楽しむ・・・


風の日は風を楽しみ

「貧しくば　心に富もう」と

大学先生は　かつて言われた


60年経って　ようやく

今　ここ　私を

楽しむということを知る


人生　どこを切っても

よく味わってきた

それで　よし


みんな　みんな

よし　よし　よし

スマホから注文するシステムのイタリアンのお店に行った

久しぶりに会う娘や孫は　まだ来ていない

マスクの女性がお水を運んできて下さって
かがんで声をかけてくれた

「このお店は始めてですか？」

「い～え！何度も来ています♪」

「じゃ、ご注文の仕方は・・だいじょうぶですか？」

「あ、わかります。わかります。大丈夫です♪」

と　自信満々に答えたのをすっかり忘れて

そうだ！先にたのんでおいてあげよう♪と思いついて

思わず
「すみませ～ん！注文おねがいしま～す♪」

と　呼んでしまった・・・


やっちまった！と気づいたのは

注文したものが来てからだった



しょうもない

彼は　現在　齢（よわい）77歳を数える

出会ったとき
彼は焼き肉屋さんだった

私の展示会を　毎日
シェフの白い仕事着に
前掛けを掛けたまま
自転車に乗って
観に来てくれていた

それから同居していた弟さん
そしてお母さんが亡くなった時には
すでに彼は絵に魅せられて
繁盛していた店をたたんでいた

60歳にして　目覚めた・・・

それからというもの
毎日　朝方まで
彼の手が止まることはない

私のお話会の最中も
私の話の内容を
こんな絵にしている

よく見ると　DNAだの
Todayだのというワードが
書きこまれている

「今日の話は　難しかった～！」という日もあれば
「今日の話は、わかりやすかった～！」
話の途中で
「僕には　そうは思えない」
といって　みんなと
議論になることもあった

彼がいるおかげで
いつもここのお話会は
参加型で面白かった

初めは　否定と怒りと
「死にたい」が口癖の何年間が過ぎて

今では彼に会いたくて参加してくる人がいるほどの人気者

洋服からパンツから
バッグから靴まで
あらゆるものに絵を描いて
作品ごと歩いてくる

「生きたい！」「生きたい！」
の人になり
その言葉は　
感謝にあふれている

本田さん

本田照男さん

まだじゅうぶんに日の目を見ていないけれど
きっといつか　必ずや
あなたの絵は世界に出て行くと
信じて応援している人が
もうすでに　たくさんいます

60才で絵に目覚めた天才画家

絵の具さえあれば
家の中の壁も　外壁も
家ごとキャンバスにしてしまうだろう

きょねんEテレで紹介された彼の暮らしぶりそのものがアートだ

家で描くときは
油やアクリルの絵の具
マジックなどで
時間を忘れて描き続ける

ユニークで力強い色彩に
圧倒される


これからが楽しみ

長生きして下さい❤️


・・・・・

昨年放映されたＥテレはこちら
彼の人となりがよくわかります
ぜひ　ご覧ください

そして　どうか彼の名前を覚えていてください

本田照男　
2022年　ＮＨＫ「no art, no life」
～今まで見たことのない芸術に圧倒される5分間「no art, no life」～英語版
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/6123030/

・・・・・

この絵は一番最近のお話会の内容の絵

彼はこの絵から内容を読み取ることができるらしい
しゃべった本人は
すっかり忘れてしまっているのだけれど

いつでも

だれでも


このように

そのように


生きていけばいい