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昨日 お友達と
しだれ桜で有名な
富士宮市柚野の興徳寺へ
桜を見に行ってきました
寺の住職は 50歳を過ぎて家族の訃報をきっかけに
ブラジルの生活を切り上げて 修行を始め
55歳にしてその道に入り
この10年間でみるみるまわりを変えていった
わたしの幼なじみの同級生です
それにしても
寺は桜に囲まれて
それはそれは見事なありようで
桜越しに見る富士山は 絶景です
みごとに裾野まで見渡せる・・・カメラなどでは
写せない見事さなのです
彼は裏の山を少しずつ買い取って
毎年小学校の子どもたちや親たち
そして彼を支える有志たち160人くらいで
広葉樹を植え続けています
ところどころに桜の木を配し
30年後には桜とどんぐりの山に…という構想が
沢の湧き水をひいて造った池には
すでに100匹以上のあまごが元気に泳いでいて
着々と進んでいます
近隣の農家は イベントの多い寺のために
田んぼや竹林や豚舎も駐車場などに提供し
檀家でもない人が彼岸花を美しく移植した土手を築き
彼の呼びかけに喜んで参加する人の輪が広がっています
山の傾斜の途中には 広くて平らなくさ原があり
そこにいずれ茅葺き屋根の家を建てて
大人も子どももおおぜい集まって
かまどで火吹き竹で火をおこし
けんちん汁とご飯の一汁一菜の食事を
土間でワイワイとみんなで食べる・・・
「アウトドアやキャンプ体験じゃなくて
それがふつうの暮らしだったことを
子どもに伝えていきたいんだよ」
なにしろ どこで顔を上げても
目の前に富士山が!・・・という
それがなによりのごちそうじゃないですか!
「富士山見ながらお風呂!」も造ろう!と
そんな自然王国の原型が出来上がりつつありました
どうしてそんなにお金があるの?との無粋な質問に
「だって おれは金はいらないもの(^^)」との答え
10年前に 1年の間に 弟 奥さん 父親を相次いで亡くし
子どもたちは育ち それぞれ海外で自分の生活をしている
収入のすべては ここにつぎ込み
ここのみんなに遺す(のこす)覚悟のよう
彼は私と同い年の 今度65歳
そして彼は 自分の体を使った夢の実現と平行して
認知症で歩けない母親の介護をしていました
いわゆる 老老介護です
けれど 彼の介護は 朗々介護です
ちょうど 私が玄関から「ごめんください」と声を掛けた時
奥から太鼓とカネの音が聞こえていて
なかなか出てきてくれない・・・
軽妙なおはやしに わたしまでなんだか楽しくなってきて
ニヤニヤしながら玄関で待っていましたら・・・
明日(4/6)の花まつりの稽古でもしているのかと思いきや
それは彼がお母さんと 太鼓とカネをたたきながら
♪ いきなくろべい みこしのまぁつに~♪と
なつかしい「お富さん」の歌を歌っている最中だったのでした
時々頼まれる老人ホームや 介護センターでの法話
(彼はワンマンショーと言ってますが)の練習だそうな
お母さんの反応を見ながら
ウケないやつはすぐに切り上げて
笑いが多いのを延々と歌い続ける・・・(^^)v
「年寄りだからって 前とおんなじネタをやっちゃ
おれのプライドが傷つく」 と
こうして毎日 お母さんと向き合って
手を握ったり 顔にふれたり
大笑いしながら 二人で歌っているのだなぁ
そして 彼は言います
[男はたいてい親の世話を嫁さんに任せてしまって
せっかくのチャンスを逃してしまっている。 もったいないことだよ。
ペットを飼って世話をしても、だれもほめてはくれないが、
親を看ているだけで世間はほめてくれたりする。(笑)
なにより親は、ペットよりもずっと気持ちが通じるじゃないか。
ちゃんと日本語を話し、歌ったり笑ったりしてくれる。
人間関係は人と人の距離、 どれだけ近くに接するかだよ。
赤ちゃんの時の抱っこの距離から、手が届く距離へ、
見える距離から 見えないとこへ、
子どもは育って親からだんだん離れていくけれど、
再び親とこんなに近く親しく接し 、お風呂に入れて洗ったり、髪を乾かしたり、
服を着せたり、ふとんに抱いて寝かせたり、
ふとんの肩口を押さえて【おやすみ!】と言う時なんぞ
いとおしくて、ブラジルならばキスしたい気持ちだ…
こうして育ててもらったことを忘れていたけれど、
こうやって思い出すことができるのが、どれだけ幸せなことだろうか…
また昔の距離に戻れる気持ちが、どんなに自分を豊かにしているか・・・
これを嫁さんに任せてしまうのは、本当にもったいないことだよ。]
と あきずに母親をあやして 笑わせているのでした
日本の男性にも
育児休暇と 親の介護休暇があってもいい と
わたしはそう思ったことでした
(介護休暇を要求する男性が増えてくることを願います)(^^)
本当に よい花見をしてきました~…