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ここに住み始めてから7年位もたつらしいのに
駅から家までしか知らない私を
いつもほんの少しの時間の合間を見つけては
連れ出してくれるお友達がいる
きのうの1時間半のドライブは
お米屋さんでお団子を買い コーヒーも買って
どこで食べようか♪と走っているときに
昭和の初めにタイムスリップしたような
小さな古い喫茶店を見つけてしまった
行き過ぎてから Uターンして戻って
お団子や買ったばかりのコーヒーを後回しにしてもいいと思えるほど
私はそのお店の前の大木に惹かれてしまった
ドアを開ける前に
思わず 大木の根元をパチリ!(上の写真) 美しいでしょう?!
曇り空に思いきり手を広げている見事さに
敬意をはらって
さらに パチリ! 素敵でしょう~?!!
外からは ガラス窓なのに明かりも見えず真っ暗で
お店は「お休み」ではなく
「やっていない」感がつよい
それでも1台の車があるのを頼りに
「押す」と書いてあるドアを押してみる
あいた・・
中は薄暗く 古いカウンターの中に
髪をひっつめたおばあさんと
そこに まちがって入ってしまったような雰囲気の
中年のカップルが1組
おそるおそる入ってきた私たちを見て
カップルが顔を見合わせて
(「お客さん 来るんだ~」)と
目配せして笑った
テーブル席が3つほどあり
一番奥は 暗くてこわいので避けて
窓際の席に浅くすわってみる
二人できょろきょろ見回している様子を
やっぱりね というようにカップルが見ている
あら!ピンクの公衆電話 ダイヤル式
ちょっと汚れている 使うひとがいるのかな
戸棚には いかにも昭和なグラスと
デミタスにしては やや大きめな
白いコーヒーカップが
これだけあればじゅうぶんでしょと言っている
天井に下がっている灯りは
昔は最新式だった丸い蛍光灯
なににしますか?と差し出されたメニューも
笑えるほど いや涙が出るほどなつかしいカンジ・・
それよりも メニューを差し出したおばあさんの
ひざに つぎあて(パッチワーク?)のあたったモンペとぞうりに
目がいってしまった
スペシャルブルーマウンテン 900円は やめにして
なんとかモカ 450円に落ち着き
その頃には おばあさんの相手を私たちにまかせますというように
カップルは帰っていった
塗装のはげたテーブルにおいたお皿の上に
シュッシュッと やけに派手な蒸気の音を立てながら置かれた
見たこともないシロモノ・・
直火にかけられる 鉄のコーヒーポット?
これ なんですか?
「ああ そこからついで飲んで。2杯くらいずつはあるよ。」
ああ それでデミタスなのね~
1杯目が冷めるころ 熱いおかわりはうれしいよね
鉄製ポット?の取っ手には
昭和の色のしみた布が巻かれている
どんな仕組みになっているのか
ふたを開けてみる勇気も
持ち上げて見る好奇心もなかったので
ついでもらったコーヒーを飲んでみた
おいしい・・
そのあとの記憶は あまりない
そのおばあさんが ずっとしゃべりつづけるので
こちらの話ができない
相づちを打つのに飽きたころ
席を立った
「はい 2人で900円ね」
外の大きな木は 何ですか?
「え~と え~と 急に聞かれてもこまる・・
(その気持ち よくわかるわ~) あ! けやきです!」
あ~ けやきなのね~ ひとめぼれしてしまったの
これは けやきに ね
そういって
いただいたおつりの100円をカウンターに置くと
おばあさんの顔が パッとあかるくなった
外に出て またケヤキを見上げながら
ずっと残ってほしいものね~ と思った
帰り道 運転してくれる彼女と
なんだろう この半時間
タイムスリップしたような・・と
話しているうちに だんだん興奮してきた
あのおばあさんのモンペは おしゃれなのよね
あの戸棚も テーブルも ソファーも
電燈も 電話も カップも グラスも
あのポットも あれを見つけて集めたのよね
すごいよね~!
昭和時代の映画のロケに
ぜひ推薦したい!
あのおばあさん
もしかしたら・・・
わたしより 若いのかも
ジブリの森に迷い込んだような
きつねに化かされたような
次に行ったら もうないような・・
ふしぎな時間でした
1時間半あれば
けっこう遊べます
なにしろ昭和の初めまで行ってこられます