たとえば

わたしは　あなたが生まれるのを待ち
あなたのための乳を用意した
あなたがどれだけ飲んでも　あまるほどに

やがてその乳は　
あなたの飲む量だけ作られるようになり
あなたが空腹で泣き出す前に
いつも　必要なだけ用意されていた

あなたの泣き声が聞こえなくても
わたしにはあなたの空腹が伝わってきた

あなたとわたしは　つながっていて
いつ　どれくらいの量と　あなたが要求しなくても　
あなたに必要なものは　すでに用意され
完璧にあなたを待っていた・・・

離乳食が進む頃には　乳の量は減っていき
歯がはえそろっていって
あなたは　食べる喜びと
味わいの広さや深さを知った

それは　乳を飲み続けたいあなたにとっては
悲しい卒乳の現実かもしれない
ほかのひとより　飲んだ量は少なかったかも知れない

けれど　その量とタイミングは
あなたの成長にとって　いつも完璧なのだ


そのように

わたしはあなたが望む前から
あなたに必要なものは　用意してある

あなたの祈りは　
祈る前に　すでに　叶えられているのだよ